平山瑞穂『忘れないと誓ったぼくがいた』
10日に平山瑞穂さんの『忘れないと誓ったぼくがいた』を読了。
きみは言った。きみはぼくの前からいなくなり、そしてみんなきみのことを忘れてしまうのだと。それじゃあんまりだ。だからぼくは誓った。たとえぼく1人だけでも、きみのことは忘れないと。でもぼくはきみ、織部あずさのことを知ってはいるが覚えてはいない。ぼくは愛しいきみの顔さえも思い出せないんだ・・・
ここで何を書くよりも、まず読んでもらうのが一番だと思います。
変えられない運命に逆らおうとするぼくと、運命を淡々と受け入れようとするきみの、あまりにも切ないラブストーリ−。「忘れないと誓った」ことすらも忘れてしまい、ただ残されたのは寝食を惜しんで書いた1冊のノートと「絶対消すな!!」と書かれたDVCによる記録だけ。同じ喪失ものでも、存在と記憶による二重の喪失になっているのが他と異なるところで、より切なさを演出しています。
いろいろなシーンが印象的ですが、なんといってもポイントはDVC。ここが一番でした。ただ、ラストシーンはちょっといらなかった気がします。
まぁ、とにかく読んでみてください。オススメ。
年末には「映画化決定!」なんて帯がついていそうな予感がする作品です。
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