村山由佳『坂の途中』

 村山由佳さんの『坂の途中』を読了。


 部屋を借りて一人暮らしをはじめた勝利。一人暮らしをすれば、かれんと二人きりの時間を過ごせると思っていたが、すれ違い気味でなかなか思うようにはいかない。バイト先の『風見鶏』でも失敗を繰り返す勝利。星野りつ子のことも何とかしてあげないと・・・


 「ナツイチ」恒例となった「おいコー」シリーズの7巻目。JUMP j BOOKSでは既に9巻目の『聞きたい言葉』まで刊行されています。『キスまでの距離』が1994年ですからかなり長い恋愛大河小説ですね。
 長期安定傾向にあるショーリとかれん。身から出た錆のような問題は山積しているものの、あま〜いお話です。このままいけば2〜3冊後には二人にとって結構つらい状態になるのでしょうが、それでもなんとか乗り越えていくのでしょうね。
 シリーズが続くにつれて、当然のことながら初期の新鮮さというか初々しさはかなりなくなってしまい、同時に波乱の要因も減ってしまいました。もともと気持ちの確認ができている二人なので、こういう展開になることはある程度予想できたこと。あとは二人でいろいろなことを乗り越えていく過程が続くのでしょう。それがどこまで続くのか。
 登場人物の感情がよく理解できる物語なので、安心して読みすすめることが出来ます。収録されたside storyの「CALLING YOU」も必読です。


関連作:『キスまでの距離』『僕らの夏』『彼女の朝』『雪の降る音』『緑の午後』『遠い背中』

2005年9月7日読了 【6点】にほんブログ村 本ブログへ
おいしいコーヒーのいれ方 (7) 坂の途中 (集英社文庫)
おいしいコーヒーのいれ方 (7) 坂の途中 (集英社文庫)村山由佳/志田光郷
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おすすめ平均 star
star展開が停滞気味
starダラダラ・・・
star大好きなシリーズ!今回も素敵な気分!
stars相手の幸せを考えること

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