2010-03-16から1日間の記事一覧

道尾秀介『球体の蛇』

家庭の事情で、隣家の乙太郎さんとナオの家に厄介になる高三の友彦。乙太郎さんは事故で妻を、さらにそれがもとで長女を亡くしている。白蟻駆除の仕事について行った先で友彦が見かけたのは、乙太郎さんの長女サヨによく似た女性だった。その女性が忘れられ…

辻原登『抱擁』

二.・二六事件の翌年、「わたし」は前田侯爵邸の小間使として奉公することになった。5歳になる令嬢の緑子は人形のようにかわいらしく、いたずら好き。だが、突然不審な行動を見せることがあった。見えない誰かを見つめたり、話しかけたりするのだ。そのこと…