谷川流『涼宮ハルヒの暴走』
シリーズ第5作は『退屈』に続く2冊目の短編集です。
●「エンドレスエイト」
今年の夏は1回しかない。行事をいっぱい詰め込んで夏を満喫するハルヒたちであったが、なにかおかしい・・・繰り返される夏休み。たとえ長くなってしまっても、1度や2度はループさせた方がよかったのでは。それがループものの醍醐味というか楽しさでしょう。
●「射手座の日」
お隣さんコンピュータ研から勝負を挑まれたSOS団。対決方法はコンピ研作成のリアルタイムシミュレーションゲーム・・・一心不乱にキーボードを叩き続ける長門がいいですね。普段のクールな感じとは大違いです。
●「雪山症候群」
SOS団の冬は鶴屋さんの別荘で年越し。だが、スキーに出かけた団員達は吹雪に巻き込まれてしまい・・・ぐだぐだとパズルを解いておしまい。対を成す「孤島症候群」のときのような殺人劇を味わいたかったのですが残念。ただし、この作品が後の伏線となっている可能性は否定できません。
全体として、今まで以上にハルヒの道化ぶりが際立つ作品集といえるでしょう。逆にもはや誰がヒロインなんだかわからないほど長門がとりあげられていて、これでいいのかと感じることも。まあ、ハルヒが道化になるのは設定上仕方ないでしょうがね。
収録作:「エンドレスエイト」「射手座の日」「雪山症候群」
関連作:『涼宮ハルヒの憂鬱』『涼宮ハルヒの溜息』『涼宮ハルヒの退屈』『涼宮ハルヒの消失』
涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫) | |
谷川流/いとうのいぢ 角川書店 2004-10-01 売り上げランキング : 430 おすすめ平均 ハルヒはやっぱり面白い やはり短編向きの作者だ ハラハラドキドキで正直怖いケド楽しい どれも面白い。 事態は暴走し始めるのだろうか Amazonで詳しく見る by G-Tools asin:4044292051 rakuten:book:11301985 |