畠中恵『アコギなのかリッパなのか』
先月末のことですが、畠中恵さんの『アコギなのかリッパなのか』を読了しました。
元不良少年の佐倉聖は、引退した大物政治家・大堂剛の事務所で事務員をしている。大堂は引退後も若手政治家の勉強会「風神雷神会」の会長なので多くの弟子が事務所にやって来るが、彼らはまた多くの困りごとを持ち込んでくる。その応援に送り込まれるのが聖だった。ある時は毛の色が変わる猫、またあるときは後援会幹部への暴力事件等々・・・
ということで、政治家事務所を舞台とした日常の謎系の連作短編集です。
読みやすくて、それなりに楽しいんだけれど、正直それだけと言った感じでした。
日常の謎はそもそも殺人とかの事件性がないものが多いので、謎が魅力的であったり真相が意外であったりしないとつらいと思うのですが、どちらも欠けていたようでした。
ユーモアのあるキャラクターたちで最後まで引っ張ったような感じがして、読み物としてはともかくミステリとしてはイマイチかなあ。
ただ、政治というおそらく取っ掛かりにくいものに対して興味を持つきっかけにはなるかもしれません。
おそらく続編とか出ると思うのですが、読むとしても期待しすぎないようにしたいと思います。
収録作:「政治家事務所の一日」「五色の猫」「白い背広」「月下の青」「商店街の赤信号」「親父とオヤジとピンクの便せん」「選挙速報と小原和博」
【感想拝見】- まあぼの交差点さま(2006.05.07追加)
- 読書とジャンプさま(2006.08.23追加)
- デコ親父はいつも減量中さま(2008.10.24追加)
アコギなのかリッパなのか | |
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