若竹七海ほか『競作 五十円玉二十枚の謎』
さて、今夜は『競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫)』をご紹介。まさにタイトルの通り。もともとは、若竹さんが書店でアルバイトをしていたとき、中年男が毎週土曜日に五十円玉二十枚を千円札に両替に来るという日常の謎(実話)です。
本書では、この謎に法月綸太郎、依井貴裕といったプロ作家の解答と、一般公募で寄せられた解答が載せられています。お買い得な1冊です。その中で1番面白かったのは一般公募だった佐々木淳さんの若竹賞受賞作。風変わりな先輩が出てきて、その人の名は猫丸・・・そう、佐々木淳さんは後の倉知淳さんなのでした。
ちなみに、今「ミステリーズ!」誌に連載されている北村薫さんの『ニッポン硬貨の謎』は、この謎に対する北村流の解答と風の噂に聞きました。すごく気になります。
収録作:若竹七海「五十円玉二十枚の謎 問題編」、法月綸太郎「解答編 土曜日の本」、依井貴裕「解答編」、一般公募作選考経過(若竹賞 佐々木淳、法月賞 高尾源三郎、依井賞 谷英樹、優秀賞 矢多真沙香、優秀賞 榊京助、最優秀賞 高橋謙一)、有栖川有栖「老紳士は何故・・・?」、笠原卓「五十円玉二十個を両替する男―または編集長Y・T氏の陰謀」、阿部陽一「五十円玉二十枚両替男の冒険」、黒崎緑「消失騒動」、いしいひさいち「50円玉とわたし」
競作五十円玉二十枚の謎 (創元推理文庫) | |
若竹七海ほか 東京創元社 2000-11 売り上げランキング : 273549 おすすめ平均 「若竹賞」獲得者は、プロデビュー前の倉知淳 魅力的な謎だけど 答えは出ない これはこれで良いのかも あなたの考える結末は。 Amazonで詳しく見る by G-Tools asin:4488400523 asin:4488400523 |