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綾辻行人『水車館の殺人(新装改訂版)』

 山間に建ち、常に水車が回り続ける洋館「水車館」。ここでは年に一回だけ、主人の父・藤沼一成が遺した絵を知人に公開している。だが一年前には家政婦の事故死、客の殺害とその容疑者が絵を盗んで逃走と、いう惨事に。今年もその日がやってきたのだが、予定外の客として、島田潔という男が・・・


 『十角館の殺人』に続く、館シリーズの第二作。中村青二が建てた水車を持つ回廊状の邸宅が舞台。ここで、またしても惨劇が繰り広げられてしまいます。
 出だしからムード満点。不穏な空気で読者を引き込む手腕はさすが綾辻というところ。


 トリックの中心になる小道具も効果的に使われ、物語は過去と現在を行き来する重厚な構成、それが非常に丁寧に、そして巧みに語られています。いかにもミステリという雰囲気を纏った、ミステリらしいストーリー、しかも胡散臭い登場人物と見事にそろえられています。おもしろくないはずがない。


 ただし、驚きという面では前作『十角館の殺人』に一歩譲るでしょうか。それだけは残念です。まあ、何事においても最初の驚きに勝るものはありませんからね。


関連作:『十角館の殺人(新装改訂版)

2012年2月3日読了 【8点】にほんブログ村 本ブログへ

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

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