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似鳥鶏『いわゆる天使の文化祭』

review

 文化祭の準備が進むころ、校内に目つきの悪い天使のイラストが大量に掲示された。それはペンギンにも似た天使で、しかもそれぞれの部活に合わせた絵柄になっているのだ。イラストの出現は回数を増し、ついには文化祭のHPにまで出現するほどエスカレート、文化祭の中止まで危惧される事態に・・・


 学園もの、とくればなんといっても文化祭。それだけでワクワクさせてくれます。シリーズ5冊目にしてそんな季節がやってまいりました。いつもどおりの葉山くんと、吹奏楽部の奏が交互にこの謎に立ち向かいます。
 今回大暴れしてくれたのはやはり柳瀬先輩。もう犯罪まがいなことでも、なんでもできてしまいそう。あんなことからこんなことまで。物語中のジョーカーです。こういう人を登場させると、物語って動かしやすいんだろうな、きっと。
 また、伊神さんの妹翠が再び登場。ストレートな強さというか突進力を持ったヒロインです。その辺は伊神さん譲りなのかもしれません。柳瀬先輩とでは全く歯車がかみ合わないようにも思えますが、果たしてこれからライバルとなりえるのでしょうか。


 交互に語られるふたつのパートが交わるとき、明らかになる真相はちょっと予想外。これは見せ方がうまかったのだと感心するばかりでした。キャラクターによるおもしろさと、見せ方、構成の巧みさを併せ持つ作品です。


関連作:『理由あって冬に出る』『さよならの次にくる〈卒業式編〉』『さよならの次にくる〈新学期編〉』『まもなく電車が出現します』

2012年1月29日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)

いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)

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