川原礫『アクセル・ワールド 4 ―蒼空への飛翔―』
略奪者ダスク・テイカーに飛行アビリティを奪われてしまったハルユキ。失意の日々を乗り越え、新たな能力を手に入れてタクムとともにダスク・テイカーを追い詰めたのだが、待っていたのは驚愕の事態。はたしてハルユキはこの事態にどう対処するのか・・・
上下巻でいえば下巻にあたる第4巻。
極めつけのシーンで終わった前巻から引っ張った結果は、展開としては極めて王道を行く形。ただ、この王道がとてもおもしろかったのです。
注目すべきはチユリがとった行動の真意。???といった感じで全く読めなかったのですが、最後までいってすべてがわかったときにはちょっとした衝撃がありました。ああ、彼女もがんばっていたのですね。
もちろん、がんばっていたのはハルユキとタクムも同じ。黒雪姫不在の中、自分たちでレギオンを守らなければならない、自分たちで事態を解決しなければならないと奮闘するのです。もちろん、敵対する相手はダスク・テイカーなのですが、彼らにとってはチユリも敵同然。これはとても辛い状況ですよね。彼らの、特にハルユキの成長が見て取れた気がしました。
とはいっても、やはり黒雪姫あってのレギオン。ちゃんと見せ場が作られていて、少ない登場シーンでも十分に楽しませてくれます。
心意システムが入ってきて全体のバランスが崩れてしまうことも危惧されたのですが、そんな心配も杞憂だったようです。今回に関しては全く問題ないように感じました。しっかり制約が掛けられたのがよかったようです。
関連作:『アクセル・ワールド 1 ―黒雪姫の帰還―』『アクセル・ワールド 2 ―紅の暴風姫―』『アクセル・ワールド 3 ―夕闇の略奪者―』
アクセル・ワールド〈4〉―蒼空への飛翔 (電撃文庫) | |
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