ひびき玲音、鈴本紅『カレン坂高校可憐放送部 決意とハンドマイク』

 悲劇は繰り返される。愁也を襲撃した犯人は捕まったものの、放送室はふたたび襲撃にあい、機材はめちゃくちゃにされてしまう。放送ができなくなったなちるは、みひろが探してきたハンドマイクを手にゲリラ的な活動を始めるが・・・


 『導かれた解答』のときにはミステリ路線からどこへ行くのか、果てしなく迷走しているようだったのですが、どうやら落ち着く先は『七日間戦争』だったようです。そう、『ぼくらの七日間戦争』です。5人はハンドマイクを手に、どこに立てこもろうというのでしょう。ハンドマイクも学校の備品でしょうに。
 正直、この反体制もの、反抗ものというのはキライではないのですが、ここまでの展開の紆余曲折は必要なかった気がします。
 今回も章ごとに語り手を変えているため、5人の感情が強く出ているのはなかなかよかったです。なちるとみひろの友情バカップルは相変わらずですね。


 鳴り物入りでやってきた校長の学校改革が始まったというか、本性を現したわけですが、今後はこの校長との対決と同時に機材破壊犯(=愁也襲撃の共犯?)を探し出す方向に行くのでしょう。5人だけではなく、炳吾や鬼城のような教師、あるいは美星空や梨恋がどのように絡むのでしょうか。


関連作:『カレン坂高校可憐放送部』『カレン坂高校可憐放送部 導かれた解答

2008年3月19日読了 【6点】にほんブログ村 本ブログへ
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