黒田研二『カンニング少女』
姉の事故死には、どうやら真相を知る人が通っていた大学にいるらしい。そう判断した玲美は超難関・馳田学院への入学を決意する。だが、入学への道はあまりにも険しい。玲美は愛香、隼人そして杜夫の3人に相談をしてみた。そして出された結論はただひとつ、カンニングしかない。カンニング大作戦が始まった・・・
クロケンさんということでバリバリの本格を想像していたのですが、そんなことはなくて、ずいぶん変化球でした。
続きがどうなるのか、気になって気になって仕方がない作品でした。でも、これどうなんでしょう。
一番不満だったのは、鈴村女史のパートが生かされているとは到底思えなかったことです。
正義感が強く、曲がったことや不正を許すことができない人物だということはよくわかるのです。ですが、カンニングに対抗する処置をするだけならば、その人のことにこれだけの部分を割く必要はないでしょう。むしろ、流れを寸断させてしまった感じ。
逆に、これだけ割いた人物のなですから、もっと大立ち回りをさせて直接玲美たちと対峙してもよかったはず。その辺がなんとも中途半端で残念でした。
カンニングと言うのは当然不正行為ですし、馳田学院へ入りたい理由もイマイチすっきりしないのですが、それでも玲美や杜夫たちを応援したくなってしまいます。
ハイテクを活かしたカンニング方法は驚き。僕たちの頃にはちょっと考えられないなあ。
カンニング少女 | |
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