橋本紡『半分の月がのぼる空(3) wishing upon the half-moon』

 昨日は病院に行った=待ち時間がたっぷりある=待合室で本が読める・・・ということで、橋本紡さんの『半分の月がのぼる空〈3〉wishing upon the half‐moon (電撃文庫)』を読了。


 肝炎で入院した裕一は、同い年の里香と出会う。里香は難病を抱え、もう何年も入院し続けていた。ワガママな王女のようで、死に対して何かあきらめのようなものを感じさせていた里香だったが、徐々に心を開き、成功する確率が低い手術に受ける覚悟を決める・・・


 電撃文庫といういわゆるライトノベルなのですが、SFもファンタジーも、そして謎すらも出てこない、ただひたすらにボーイ・ミーツ・ガールのおはなし。あんまり長々とあらすじを書いてしまうと、1巻・2巻を読んでいない方の楽しみを削いでしまうので、ここでは簡単に。


 お約束のようにどたばたしたシーンもあるのですが、本質的にはせつないおはなし。手術に臨む里香は裕一に『チボー家の人々』を残していくのですが、そこから里香は「命をかけて君のものになる」という言葉を引用して伝えようとするのです。「J」と書いてある署名も「R」に訂正して・・・まるでここまでの3冊は、この言葉につなげるために書かれたかのようです。


 はたして里香の手術はどうなったのか? 夏目が残した「裕一にとって最悪の結果」とは? 4巻が気になります。


関連作:『半分の月がのぼる空 looking up at the half‐moon』『半分の月がのぼる空 2 waiting for the half-moon』

2005年3月15日読了 【8点】にほんブログ村 本ブログへ
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おすすめ平均 star
starてめっ夏目このやろ…
star僕は無理やり笑うことにしたんだ。里香のために―。
star一時は本の一時にしか過ぎず・・・
starsとめられた一分
stars輝きながら落ちる砂時計

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