大倉崇裕『七度狐』
今週は昼休みにまとまった読書タイムがとれたので、まず、1冊読了しました。大倉さんの『七度狐 (創元クライム・クラブ)』は『三人目の幽霊 (創元クライム・クラブ)』に続くシリーズで、今回は長編でした。
静岡の山奥にある杵槌村で開かれる春華亭古秋一門会。世襲とされる「古秋」の七代目を指名する一門会である。豪雨で陸の孤島となった杵槌村。そこでおきる殺人事件!
全編を五代目古秋の影と、五代目古秋が構想していた7回騙す「七度狐」が貫いています。クローズドサークル、見立て殺人、安楽椅子探偵と本格の要素もふんだんに盛り込まれています。
連続殺人の犯人当てはもちろんですが、五代目古秋失踪の謎、見立てになっている「七度狐」の騙しなど、読み進めていく楽しみもたくさん。伏線もラストで回収され、そこには驚きの結末が用意されています。
もう少し派手さがあれば、もっと注目を浴びることができる作品だと思います。丹念に描かれた古風というか伝統的な本格ミステリです。
関連作:『三人目の幽霊』
【感想拝見】- 読書とジャンプさま(2006.09.01追加)
七度狐 (創元クライム・クラブ) | |
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