大倉崇裕『七度狐』

 今週は昼休みにまとまった読書タイムがとれたので、まず、1冊読了しました。大倉さんの『七度狐 (創元クライム・クラブ)』は『三人目の幽霊 (創元クライム・クラブ)』に続くシリーズで、今回は長編でした。


 静岡の山奥にある杵槌村で開かれる春華亭古秋一門会。世襲とされる「古秋」の七代目を指名する一門会である。豪雨で陸の孤島となった杵槌村。そこでおきる殺人事件!


 全編を五代目古秋の影と、五代目古秋が構想していた7回騙す「七度狐」が貫いています。クローズドサークル、見立て殺人、安楽椅子探偵と本格の要素もふんだんに盛り込まれています。
 連続殺人の犯人当てはもちろんですが、五代目古秋失踪の謎、見立てになっている「七度狐」の騙しなど、読み進めていく楽しみもたくさん。伏線もラストで回収され、そこには驚きの結末が用意されています。
 もう少し派手さがあれば、もっと注目を浴びることができる作品だと思います。丹念に描かれた古風というか伝統的な本格ミステリです。


関連作:『三人目の幽霊

2004年9月16日読了 【8点】にほんブログ村 本ブログへ
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七度狐 (創元クライム・クラブ)
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