村山由佳『すべての雲は銀の・・・』
最近読み終えた本から村山由佳さんの『すべての雲は銀の・・・』を取り上げます。
村山作品はかなりの数読んできたけれど、心に傷を持つ人々が数多く登場します。本作の主人公である祐介もその代表で、彼は彼女と兄、家族という頼れる人を1度に失ってしまいます。そんな祐介が信州の宿で暮らしながら、さまざまな人々に出会い、悩み、やがて1つの結論にいたるまでの物語です。こう書いてしまうと平凡なストーリーに見えるかもしれませんが、その結論を導き出すまでに祐介はそれぞれが持つ傷に心を痛め、我が事のようにいっしょに悩み、そして成長していきます。それは、きっと彼が結論を出す上で必要不可欠な過程だったのでしょう。
村山さんの作品は多少重いテーマを扱っても、それを苦にすることなく読み進められる気がします。それはきっと、登場人物に感情移入しやすいからではないでしょうか。
すべての雲は銀の… Silver Lining〈上〉(講談社文庫) | すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫) |
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