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大倉崇裕 『福家警部補の報告』

review

 かつて親友として、同人漫画を共同執筆した真理子とみどり。時の流れは立ち場を変え、真理子は出版社のやり手営業部長、みどりは実力派漫画家に。だが、二人の関係は良好ではなく、悲劇的な結末を迎える・・・(「禁断の筋書」


「禁断の筋書」
 親友として漫画家を目指した真理子とみどり。時は流れ、二人の立場は実力派漫画家と出版社の辣腕営業部長に。そして・・・なにげない小道具の使い方が光る一編。ほんのわずかなほころびから犯人を追い詰めていく手口は、さすがとしか言いようありません。福家のドジっぷりもギャップがあっておもしろいです。
「少女の沈黙」
 やくざの同士討ちと見られた殺人事件。だが、誘拐され現場に居合わせた少女は肝心なことを語らない・・・福家の怖さというか厳しさが出た作品。犯人に同情を感じさせながらも、怯まず職務を遂行する彼女の姿勢がいい。
「女神の微笑」
 白昼発生した自動車の爆発事件。銀行強盗犯のミスによる自爆かと思われたが・・・マンネリになりがちな倒叙ものシリーズに新たな展開か。今後、どのように使うのか気になるところ。


 シリーズ第3弾。相変わらずのおもしろさはキープしつつもどこかマンネリを感じさせたところに、「女神の微笑」で予想していなかった展開がおとずれ驚かされました。本家(?)コロンボにもこういうことがあったのでしょうか。きっと次作以降でも楽しませてくれることでしょう。
 福家自身も様々な顔を見せ、今まで以上におもしろい警部補になっています。一冊ごとにどんどん変わり者になっていく彼女。またエスカレートしていくのでしょうか。
 そういえば、「福家警部補の災難」=「法廷ジャックの心理学」って、まだ収録されないんだなあ。


収録作:「禁断の筋書」「少女の沈黙」「女神の微笑」
関連作:『福家警部補の挨拶』『福家警部補の再訪

2013年8月7日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
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