川原礫『アクセル・ワールド 5 ―星影の浮き橋―』
《軌道エレベータ》に《ソーシャルカメラ。ネットワーク》が導入される。そんなニュースを聞いたハルユキはひとつの思考に行きついた。加速空間が宇宙まで広がるという可能性に。その方向性に間違いはなく、ハルユキたちは新たな《宇宙》ステージでの《ヘルメス・コード縦走レース》に参加することになった・・・
おおっ、一気に世界が広がった5巻です。
ストーリーのメインは《ヘルメス・コード縦走レース》。ネガ・ネビュラスは新たにスカイ・レイカーも加えて参加するのですが、この参加メンバー決定までのやり取りがなかなか楽しいものでした。自分のことだけでなく、レギオン全体のことを考えるからこういう考え方の違いが発生するんですよね。ほかではありえないレギオンの結びつきの強さを感じるシーンでした。
結びつきといえば、レースそのものでも強く感じさせられました。もともとメンバーのチームワークなしには上位に進出できないようなつくりですが、ネガ・ネビュラスにとってはその絆を深めるという意味でかなり濃厚な時間だったことは間違いありません。特に、レースが想定されたものと異なる形となり、ハルユキにアクシデントが発生してからは一段とそんなことを感じました。まあ、タクムはちょっと空気になってしまいましたが。
もちろん、レースだけじゃなくて日常のシ−ンも盛りだくさん。何といっても今回はお泊まりイベントでしょう。楓子登場のあたりはあまりの動揺ぶりに笑ってしまいました。
なんとなく今回は番外編のような雰囲気でしたが、これからの苦難が想像できる展開だけに、次にも期待できそうです。
関連作:『アクセル・ワールド 1 ―黒雪姫の帰還―』『アクセル・ワールド 2 ―紅の暴風姫―』『アクセル・ワールド 3 ―夕闇の略奪者―』『アクセル・ワールド 4 ―蒼空への飛翔―』
アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫) | |
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