土橋真二郎『ラプンツェルの翼 4』

 ユーロランドで一部の天使による反乱に巻き込まれた遼一と奈々。人質となった姫を救出するため、ふたりはキサラギとともにゲームに参加した。だが、最後に待ち受けていたのはクリアのために他人を殺さなければならないという状況。残り時間はあとわずか。彼らの選択は・・・


 いよいよ4巻です。
 3巻で、お姉さまやその周囲の天使たちの考え方があまりに不快でいやらしく感じたのですが、それが効いて今回は納得の展開でした。
 今までの流れから考えれば、奈々がとった行動は当然とも思えるもの。決してミズホたちクーデター側の手口には共感できませんが、求めるところはおそらく同じ。天使と人間の関係としてはきっとこれが理想形ですよね。別種としてどのような形で共生していけるのか。


 ただ、ゲームとして見るとどうでしょうか。今まで見られたゲームとしてのおもしろさは少々薄れていたのではないでしょうか。ゲームからストーリーへシフトしたようにも見えます。きれいにまとまってはいたものの、大きな盛り上がりになったとも思いにくく、少し物足りなく感じました。この場合はもう少しゲーム性に重きを置いてもよかった気がします。それが土橋作品の売りですから。


 ユーロランド編完結とのことですが、ここから新しい展開が始まるのでしょうか。またトランクを開いてしまうのでしょうか。『ツァラトゥストラの階段』も続けてほしいのですが。


関連作:『ラプンツェルの翼』『ラプンツェルの翼 2』『ラプンツェルの翼 3

2010年4月24日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
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おすすめ平均 star
star土橋さんが書く内容ではなかったのでは?
starノンストップスリラー
star一応完結したみたい?
stars土橋さんには珍しく……わりとまっすぐな一冊
starsチョットどうかと思います。

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