山口雅也『新・垂里冴子のお見合いと推理』
お見合いのたびに事件に巻き込まれてしまう冴子。父一路による見合い話の相手は一路の元部下。勤務先である水族館での見合いだったが、あいにく水族館では親善国家のイベントが行われる日。しかもその国家に伝わる大切な宝飾品を、トラブルによって紛失してしまった・・・(「見合い相手は水も滴る○×▲?」)
このシリーズとしては9年ぶりとなる第3作。中編2編を収録。
●「見合い相手は水も滴る○×△?」
今度の見合い相手は水族館員。見合いのために水族館まで行った冴子だが、イベント中に親善国家の宝飾品が紛失、しかも・・・まさかあれがお見合い相手なんて。それはさておき、登場人物たちや水族館という場所が持つ楽しさと、事件の手口のミスマッチが妙な雰囲気を出します。
●「神は寝ている猿」
空美が仕切った見合い相手は本物の私立探偵。しかもアメリカ生まれの日本かぶれ。名前は東京茶夢・・・事件はやはり殺人なのですが、ダイイング・メッセージが絶妙でした。注目だった『日本殺人事件』の東京茶夢とのコラボは、どちらかといえばあちらの世界に引きずり込まれてしまったような印象です。
短編が続いたこのシリーズですが、今回は中編2編。どちらもその長さに相応しい内容でした。というか、あまり長さを感じさせませんでした。キッドピストルズに続いて垂里冴子が復活ということは、次は東京茶夢でしょうか。
収録作:「見合い相手は水も滴る○×△?」「神は寝ている猿」
関連作:『垂里冴子のお見合いと推理』『続・垂里冴子のお見合いと推理』
新・垂里冴子のお見合いと推理 | |
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