小泉喜美子『弁護側の証人』
夫は財閥の放蕩息子、妻は元ストリッパー。結婚してからまだ日も浅い二人だが、言葉を交わすのは面会室の金網越し。夫の父親である財閥当主殺害事件に絡んでのことだ。一体どうやって真犯人を突き止めようというのか・・・
今から半世紀近くも前に発表されたという古典的名作。ですが、復刊された今読んでも少しも色褪せていませんでした。さすがに帯で豪華なメンバーが絶賛のコメントを寄せているだけのことはあります。
さて、古典的名作でありながらその詳細を知らないままに読み始めました。多少身構えるところがあったせいでしょうか、なんだか最初からいろいろなことが気になるのです。その正体はわからないままに。
しかしながら、注意していながらもやはり驚かされてしまうのが名作というものなのでしょうか。読み始めからのもやもやした気持ちを晴らすとともに、それでもなおミステリとしてのクライマックスを温存するという構成も心憎いじゃありませんか。
話の筋を書きすぎると、これから読まれる方の興を削ぐことになりかねません。この辺にしておきますが、ミステリ好きにはぜひ読んでほしい名作です。良いものに時代は関係ありませんね。若くして亡くなられたことが惜しまれます。
【感想拝見】- 読書NOTE 〜読んだ本の記録ブログ〜さま(2009.10.25追加)
- マロンカフェ 〜のんびり読書〜さま(2010.04.13追加)
弁護側の証人 (集英社文庫) | |
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