竹宮ゆゆこ『とらドラ10!』
雪のバレンタインにふたりは走り出した。互いに手に手をとりあって、親のもとから逃げ出したのだ。少年と少女は、ただ信じる未来だけを求めて。ふたりに安寧の場所はあるのか。そして仲間たちはふたりを助けることができるのか・・・
『とらドラ!』ついに完結です。
始まった当初はコメディ色が強いラブコメのように思えた『とらドラ!』ですが、少しずつ少しずつシリアスな色が強くなり、そしてこの結末への展開。こういった流れですので、竜児と大河、ふたりだけで終わってしまう物語ではなくて本当によかったと思います。+αがあるのとないのでは、物語の厚みが違いますから。
完結編に相応しく、独身(30)のゆりちゃんや春田たちにも見せ場があります。「劇団春田」はツボでした。しかも、ついにあの人たちまで登場。やはりすべては原点に行き着くのですね。
最初から最後まで波乱万丈。竜児は男らしくがんばったと思うけれど、やっぱりあれはちょっと違う。そう考えたところでの軌道修正でした。やっぱり、誰かのために誰かを切り捨てるというのは最終手段ですし、そうした場合の悲劇を体感しているのが竜児のはず。そこに気付いてくれたのがよかったです。「みんな幸せ!」、それが一番。
次の物語でまた楽しませてほしいですね。
関連作:『とらドラ!』『とらドラ2!』『とらドラ3!』『とらドラ4!』『とらドラ5!』『とらドラ6!』『とらドラ7!』『とらドラ8!』『とらドラ9!』
とらドラ10! (電撃文庫) | |
竹宮ゆゆこ アスキーメディアワークス 2009-03-10 売り上げランキング : 270 おすすめ平均 あまりのくだらなさ とらドラ10! 小説だけだと確かに消化不良 読まなきゃ損!! 女性向けレーベルがいいのでは Amazonで詳しく見る by G-Tools asin:4048675931 rakuten:book:13147512 |