入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸』
この街にはふたりの犯罪者がいる。片方は連続殺人犯。もう片方は小学生の兄妹を連れ去った誘拐犯。そして幼馴染のまーちゃんと一緒に暮らすことになった僕の目の前には、今、足に枷をはめられた小学生くらいの男の子と女の子が・・・
おもしろい、と表現していいの? これは。
8年前の誘拐事件によって心に傷を負ってしまったまーちゃんとみーくんの物語。
ミステリとホラーのおいしいとこ取りをしようとして、結果的にどっちつかずになってしまったような印象があります。ミステリを狙うならもっとみーくんの嘘を効果的に使っておもしろくできた気もするし、ホラーを狙うならもっとカバー裏のような色合いを濃くすべきだったのでは。どちらも薄いから中途半端に思えます。
また、後半のもっとも盛り上がるべき部分が理解しにくく、それ故にイマイチ乗り切れませんでした。
みーくんと奈月さんあるいは恋日先生との会話はテンポよく、ウィットに富んでいて楽しめたのですが。
会話といえば、随所に他作品へのオマージュと思しき会話が出てきて楽しませてくれます。
「待ち合わせは何処にしましょうか」
「暗いところで」(P121)
なんて具合。*1
謎解きや怖さよりも会話の楽しさに興味がいってしまうのは、この作品にとって不幸なことかもしれません。
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫) | |
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