七飯宏隆『タロットの御主人様。3』

 夏といえば海! 二週間で集めたタロットはたった4枚。タロットとの遭遇率の悪さを指摘された秋人は、長期戦になることを覚悟し気分転換に臨海学校にでかけた。しかし海では籐子が陰謀を企て、メイドの志津乃とともに実行に移さんとしていた・・・


 あれ、タロットは? って感じの第3弾。ペースが遅いことを指摘されておきながら、臨海学校なんて行っていてもいいのかって気もしますが、その辺は1枚の収穫でよしとするべきでしょうか。それくらいタロット集めは忘れられているようでした。
 籐子と志津乃の暴れっぷりは本当にあっぱれで、それはそれでおもしろいものでした。破天荒というか常識知らずというか何というか。
 ただし、今回のメインは表紙にもなっているように三崎美咲。「運命の輪」として上下左右を操るだけでなく、冷静な判断と明晰な頭脳が本当に実用的。彼女がいなかったらどうなっていたでしょう。もう物語が終わってしまいます。
 残念といえば、やはりあまりタロットに触れられていなかったこと。終わりごろになって取ってつけたかのように扱うのでは、ちょっと物足りませんね。
 また、結夏や香澄の活躍の場が少なく、あまり目立たなかったのも残念ですね。これから集められたタロットの数が増えてくると、さらに目立たなくなるのでしょうか。それもどうかなあ。


関連作:『タロットの御主人様。』『タロットの御主人様。2

2008年7月27日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
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