七飯宏隆『タロットの御主人様。2』

 お嬢様学校の聖ケーリー・イェール女学院では、鷺宮籐子というカリスマ性を持った美少女による不可解な占いが大きな力を持っていた。怪しいものを感じた秋人は結夏や香澄とともに変装して女学院に侵入するが、籐子には「女教皇」のタロットが憑依していた・・・


 シリーズ第2弾は3枚目のタロット「女教皇」、4枚目のタロット「運命の輪」との対決。
 正直なところ、ラブコメとしてはあまりに王道的で型にはまっているようで、ちょっとパッとしないような印象がありました。なんだか、お約束をすべて律儀にこなしていくようなイメージです。
 そうした中で、秋人を守るという使命と思いを持って戦う結夏や香澄と、二人を傷つけてはいけないと考える秋人との感情の食い違いは、なかなか興味深いものでした。その辺をちゃっかり示唆したアメジスティアがいちばんおいしかったのかも。
 このシリーズの戦闘シーンで興味深いのは、タロットたちに与えられた能力が直接相手を攻撃するものではないことでしょうか。戦闘における特殊能力というとどうしても直接的に攻撃し、相手を痛めつけるものを想像してしまいます。それだけに、このタロットたちの能力はちょっと意外でした。とくに「運命の輪」の能力はおもしろかったですね。「ぐるん」「ぐるん」って。
 ちなみに、「運命の輪」の登場シーンで思わず「吊された男」だと思ったのは僕だけでしょうか? 逆さ吊りで登場するボクっ娘なんでつい。


関連作:『タロットの御主人様。

2008年7月25日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
タロットの御主人様。 2 (2) (電撃文庫 な 11-9)
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