みかづき紅月『サムライエイジ』

 普通の女の子になりたい。剣の家に生まれた必殺剣の使い手・三月弥(みつきやよ)はそう願い、家を出て進学することにした。進学先はエリート校の蘇峰学園。楚々とした乙女に生まれ変わり、恋をすることを夢見た弥だったが、蘇峰学園は帯刀が常識、力こそがすべてというとんでもない高校だった・・・


 セーラー服に日本刀という、表紙イラストどおりの物語です。剣豪伝というのは気が引けるし、ちょっと違う感じ。
 入学式から乱闘が予定されているような常識はずれな学校ですから、常識的な生徒が集まっているとは考えにくいわけで。実際弥を取り合う2つの勢力が対立します。
 果たして弥がどういう理由でどっちに決断するのか、非常に気になったのですが、なんだかいろいろな意味で拍子抜けした気分です。
 いや、こういう選択もありだとは思うのですが、想定外だったのです。まあ、どうせなら思いっきりこっち方面に走ってくれた方がいいかも。


 もう少し「楚々とした乙女」とか「男の子と恋をする」という、弥の夢を追いかける部分があってもよかった気はします。入学式のその日から、そんな夢はどこかへ吹っ飛んでしまっていますから。
 それに、いろいろなことがあった割には、山場というか盛り上がり方がイマイチだったことは否定しません。
 ただ、この設定は悪くないと思うし、ありきたりに近いかもしれないけれどキャラもしっかり立っています。続きも気になるので、きっと次も読むことでしょう。

2008年7月15日読了 【6点】にほんブログ村 本ブログへ
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