有川浩『図書館革命』

 敦賀原発を狙ったテロが発生した。そのテロは鎮圧されたが、手口が当麻蔵人の著書『原発危機』の内容と酷似していたことから、メディア良化委員会は当麻の身柄確保に動き出した。作家狩りである。図書隊は横暴を食い止めるべく、先んじて当麻の身柄を保護した・・・


 「図書館戦争」シリーズの4冊目で一応の最終巻。
 今回は今まで短編集のような構造とは異なり、一本の長編になっています。それだけに、緊迫感も途切れることなく、最後までグイグイと引っ張ってくれました。おかげでほぼ一気読みでした。
 内容は、ついにここまで来たかといった風な、メディア良化委員会側との全面抗争です。そして、同時に自分とは関係ないと思っている一般市民との戦いでもあります。無関心というのはある意味一番厄介なのかもしれません。自分はそうありたくないと思いますが。
 さて、今回の読みどころはやはり当麻をかくまった図書隊にとってのザ・ロンゲスト・デイなのでしょう。詳しく書くわけにはいきませんが、この「図書隊史上最大の作戦」はハラハラドキドキワクワクで、読み応えのある作戦でした。もちろん、ラブラブも。ただ、日付が変わった翌日がややあっけなく感じたのは残念でした。


 でも、僕が興味深く読んだのは柴崎の手塚の兄・慧とのやりとりです。半敵対的な関係にあったふたりの冷静かつ大胆なやりとり。「歴史にあたしの名前が残るのよ」とまで言い切ったあたり、さすが「柴崎麻子様」でした。ちょっと手塚のかなう相手じゃないですよね。生真面目が取り柄の手塚ですから、ちょっと。このふたり、これからどうなるんでしょう。堂上と郁よりも気になります。


 『別冊 図書館戦争1』はすでに読んでしまったので、残りはあと1冊でしょうか。なんだか名残惜しくなってしまいそうです。


関連作:『図書館戦争』『図書館内乱』『図書館危機』『別冊 図書館戦争1

2008年7月6日読了 【9点】にほんブログ村 本ブログへ
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おすすめ平均 star
star楽しみました。有川さんありがとう!
star最終巻!
star完結が惜しまれる
starsやっぱり楽しいなぁ
stars劇薬並みに甘いラブストーリー!

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