土橋真二郎『ツァラトゥストラへの階段2』
パルスに感染し、姉を取り戻すために囚人ゲームでの必勝を誓う福原駿介。ダンスパーティーに招待されるが、それは男女ペアで戦う新たなゲームへの入り口だった。福原はカレンと組んでゲームに臨むが・・・
前作を読んだときに「ややキャラクターが弱い」という感想を持ったのですが、それはかなり払拭された気がします。主人公の福原は当然ですが、エージェントの舞やパートナーのカレン、敵陣営の立花や出番は少ないもののヒロイン(?)の由紀など、個性的なキャラクターが揃いました。
ゲームは今回も緊迫感があっておもしろいものでした。初心者向けということかルールもわかりやすく、今までに比べると随分簡潔になったようです。
ただし、ゲーム内で資金を集めたり使ったりする機能がありながら、それが「多い」「少ない」以外の以外の要素として使われることがほとんどなく、設定としてはもったいなく感じます。福原の資金が限りなく少なくなって危機的な状況に陥るとか、あるいは配分を間違えるとかあってもよかった気がします。それにしてもオーレはどこに?
また、今までの傾向から今回も敵キングとの間で極限状態の心理戦が行われるのかと予想していましたが、予想に反して内向きなものでした。これはこれでおもしろかったのですが、少し残念かも。
福原の置かれた環境も少しずつわかってきました。ますます次回が楽しみです。
関連作:『ツァラトゥストラへの階段』
ツァラトゥストラへの階段 2 (2) (電撃文庫 と 8-5) | |
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