鈴本紅・ひびき玲音『カレン坂高校 可憐放送部』

 数年前に女子校から共学になったカレン坂高校。全国大会で毎年入賞する実力を持つ放送部は代々女性がパーソナリティを務め、3年生の南美星空から潮崎なちるへと引き継がれていた。後継者を早く探さなければならない2年生のなちるたちだったが、肝試しの日、とんでもない事件がおきる・・・


 あの『マリア様がみてる』のイラストを担当しているひびき玲音さんが原案という放送部を舞台とした学園もの。
 学園青春もののほんわかとした雰囲気を味わいつつ、なちるとみひろの友情バカップルを楽しむ作品で、放送部の後継者探しはさながらスール探しのように長引いていくのか、あるいは徹と愁也という2人の男子との関係で引っ張るのか、それとも・・・なんて考えていたのですが。
 中盤からの展開にもう驚愕です。それまでのほんわかとした雰囲気はどこへやら。すっかり話が変わってしまって。まるでなだらかな坂道を登っていたジェットコースターが突如垂直落下したみたい。
 そこそこには楽しめたので良しとしますが、ラストがまたあまりにブチッと切られていて、続きが気になって仕方ありません。いや、こんなところで切るなよという不満かも。


 どちらにいくのか全く先が読めないだけに、続きが気になっているのは真実。放送部を舞台にした特性もまだまだ生かされていないように思いますし、ここまでは様子見でしょうか。

2007年8月7日読了 【6点】にほんブログ村 本ブログへ
カレン坂高校可憐放送部 (コバルト文庫 ひ 8-1)
カレン坂高校可憐放送部 (コバルト文庫 ひ 8-1)ひびき玲音/鈴本紅


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