築地俊彦『ときむすび』
タクトと真衣亜は近所に住む幼馴染。毎朝真衣亜がタクトを起こしに来るほどの関係だが、タクトは真衣亜の想いに気付きながらも、真衣亜の姉である果璃絵への想いを隠さなかった。だが、果璃絵の様子はどこか不自然でおかしく、二人が問いただしてもはぐらかすばかり。タクトと真衣亜は友人たちの力を借りて原因を探り出そうとするが・・・
サスペンス風味のかかった学園ものです。男性比率が少ないところがちょっと気になったけれど、カラー口絵で登場する8人を十分に活かしたラブコメでよかったです。特に、近所の幼馴染と引っ越してきた幼馴染という三角関係は「わたしがわたしが」というような部分がなく、ほのぼのとしていて楽しかったです。
ただ、この後半はどうなんでしょう。冒頭のエピソードから、何らかの暗い影は感じていたのですが、こんなことになるなんて。
こういう結末もありかなとは思うのですが・・・
切なすぎるとか、アンハッピーだとかいろいろあるのですが、何よりもこれでは前半との脈絡がなさすぎます。こういう結末にしたいのであれば前半のラブコメはいらなかったでしょうし、8人も登場人物は要らないでしょう。普通に原因を追究してくれればよかったのです。こんな仕掛けは要らない。
前半が好きだっただけに残念でした。まるで、2つの未完成作品を継ぎ足したかのようでした。
- booklines.netさま(2007.05.19追加)
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