小路幸也『HEARTBEAT』

 もう1冊、小路幸也さんの『HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)』を読了。


 委員長は帰ってきた。同級生だったヤオとの、10年前の約束を果たすために・・・しかし、ヤオは3年前から行方不明になっていた。委員長原ノ井は相棒に巡矢を選び、ヤオを探し始める。
 一方、資産家の跡取りの小学生・ユーリが住む邸宅では、ユーリの母親の幽霊が出る騒ぎが起きていた。


 小路さんの作品は初めてだったのですが、とても魅力的な物語を書かれる方ですね。温かく、やさしく、そして儚い物語でした。
 ただ、それは8割か9割の部分まで。最後の1割か2割の部分がとてもかけあしであっけなく進んでしまったことが少し減点。そして、ラストがちょっと納得できないのです。いや、もちろん「あのラストがいい」という方もいるでしょうが、ラスト前までとても楽しませてもらったので、個人的にはちゃんと説明がつく形で終わらせてほしかったと思うのです。


 ヤオを探すだけでなく、ニューヨークでのエピソードとか、幽霊騒ぎとかいろいろな要素がうまくつながったおもしろい話でしたので、ラストに納得できれば「文句なし」と言えたのですが・・・
 ユーリたちの幽霊探しの部分が、「名探偵コナン」の少年探偵団のようで特に楽しかったです。


 小路さんの作品は他にも数作出されているようなので、もう少し読んでみようかと思います。

2005年10月18日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)
HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)小路 幸也

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