橋本紡『猫泥棒と木曜日のキッチン』

 橋本紡さんの『猫泥棒と木曜日のキッチン』を読了。


 川原みずき17歳。ある日母が家出してしまった。残ったのはわたしと5歳の異父弟コウちゃんだけ。だけど何も困ることはない。お母さんがお金は残してくれていたから。そして、新しい家族・・・コウちゃんとサッカーを奪われてしまった健一君との3人での新しい家族ができたから。毎週木曜日に食卓を囲む新しい生活に慣れた頃、わたしたちは道路脇であるものを見つけてしまった・・・


 大人になるって、いったいどういうことだろう。20年生きて成人になるってことではないのはわかります。いろいろあるだろうけど、大切な人や弱いものを守れるようになること、自分の思う正義を貫くこと、こんなことも大人の条件ではないでしょうか。
 そんな風に考えると、成人式を終えた人よりもTEENのほうがよっぽど大人でしょう。それは青い大人かもしれないけれど、
 猫泥棒は、分別のある大人のすることありません。でも、猫泥棒を生み出した行為も、やはり分別のある大人のすることではありません。もちろん、猫だけでなくサソリ、ヘビ、ワニであろうと。


 成人式をすぎ、汚れた世界に入っているからこそ、見えてくるものがある本です。もちろん、まだまだ純粋な10代の少年少女にも読んでほしい1冊です。きっと、違ったものが見えてくるでしょうから。

2005年10月11日読了 【7点】にほんブログ村 本ブログへ
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猫泥棒と木曜日のキッチン
猫泥棒と木曜日のキッチン橋本紡
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おすすめ平均 star
starたしかにタイトルで損をしているかも…
star家族とは?強くそう感じる作品。
star全体的に良かったが
starsのほほんとした中にも・・・・・
stars本の題名で「買わない」と決めないでほしい。

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