橋本紡『猫泥棒と木曜日のキッチン』
橋本紡さんの『猫泥棒と木曜日のキッチン』を読了。
川原みずき17歳。ある日母が家出してしまった。残ったのはわたしと5歳の異父弟コウちゃんだけ。だけど何も困ることはない。お母さんがお金は残してくれていたから。そして、新しい家族・・・コウちゃんとサッカーを奪われてしまった健一君との3人での新しい家族ができたから。毎週木曜日に食卓を囲む新しい生活に慣れた頃、わたしたちは道路脇であるものを見つけてしまった・・・
大人になるって、いったいどういうことだろう。20年生きて成人になるってことではないのはわかります。いろいろあるだろうけど、大切な人や弱いものを守れるようになること、自分の思う正義を貫くこと、こんなことも大人の条件ではないでしょうか。
そんな風に考えると、成人式を終えた人よりもTEENのほうがよっぽど大人でしょう。それは青い大人かもしれないけれど、
猫泥棒は、分別のある大人のすることありません。でも、猫泥棒を生み出した行為も、やはり分別のある大人のすることではありません。もちろん、猫だけでなくサソリ、ヘビ、ワニであろうと。
成人式をすぎ、汚れた世界に入っているからこそ、見えてくるものがある本です。もちろん、まだまだ純粋な10代の少年少女にも読んでほしい1冊です。きっと、違ったものが見えてくるでしょうから。
【感想拝見】- どこまで行ったらお茶の時間さま(2006.03.29追加)
猫泥棒と木曜日のキッチン | |
橋本紡 メディアワークス 2005-08 売り上げランキング : 213221 おすすめ平均 たしかにタイトルで損をしているかも… 家族とは?強くそう感じる作品。 全体的に良かったが のほほんとした中にも・・・・・ 本の題名で「買わない」と決めないでほしい。 Amazonで詳しく見る by G-Tools asin:4840231583 rakuten:book:11509047 【bk1】 |