石持浅海『水の迷宮』

 石持浅海さんの『[rakuten:book:11308675:title]』を昨日読了。


 人気スポットになった羽田国際環境水族館。館長のもとに届けられた謎の携帯電話に送られてきた1通のメール。そこには、水槽への攻撃を暗示するメッセージがつづられていた。犯人は誰か、犯人の目的は? その日は3年前に水族館内で過労によるとみられる死を遂げた飼育係長、片山雅道の命日だった。


 一言で言うと「おもしろかった」。ページを繰る手が止まらないような物語です。感動という表現はいささか大げさすぎる気もしますが、片山の残したものには素直に「すごいっ!」と思いました。
 結末やそこに至る過程に賛否両論存在することは知っています。たしかに、現実ではあってはならないことですが、これは物語の中の出来事、あまり気にすることなく読みすすめることができました。もっとも、自分がその場にいたらそんな行動をとることができるのか疑問ですし、たとえできたとしてもそのことを一生胸に秘めていくことは困難を極める気がします。


 複雑に入り組んだ感のある出来事ですが、深澤の推理が整理されているので、全容もうっすらとではありますが見えてきます。でも、この物語のメインはミステリとしての謎解きではなく、片山が残したもののスケールの大きさにあります。

「深澤よ、地球を造ってみないか?」

 ・・・なるほど。

2005年6月28日読了 【8点】にほんブログ村 本ブログへ
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おすすめ平均 star
starこれはひどい
starミステリーの舞台は水族館
star善人たちの物語
starsこれもありだけれども
stars端正な本格

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 キレイな帯(?)です。