五十嵐貴久『TVJ』
ちょっと前のことになってしまいましたが、五十嵐貴久さんの『TVJ』を読了しました。
全館コンピュータ制御など、最新の設備を備えた25階建てのテレビ局、テレビジャパンがテロリストにのっとられた! 偶然が重なって難を逃れた経理部の由起子は、拘束された人質の一人である婚約者の圭を救おうと、テロリストたちを相手に敢然と立ち上がる。一方警察は、交渉のスペシャリスト大島を用意するが・・・
一言で表現するならば「おもしろい」。ほぼ一気読みでした。最初、「〜した」「〜だった」という文章がひどく目に付き、読みにくく感じたのですが、途中からはぐいぐい引っ張られる感じで、そんなことすっかり忘れてしまいました。
とにかく、由起子がごく普通のOLなだけに何もできない。ビル全体の重要なシステムについても、テロリストたちのほうがよっぽど熟知している。ただ由紀子が勝っていること、それはビルについて重要ではないことを知っていること。
由紀子の行動や展開がご都合主義だという批判もあるかもしれませんが、僕は全く気になりませんでした。まあ、エンターテインメントなんて大なり小なりそういった要素は入っていると割り切っていますから。
交渉人大島が、優秀であるがゆえにテロリストの予想した行動の枠を出られず、道化のようになってしまうのが残念。もう少し彼の見せ場をつくってほしかったです。
お台場の某テレビ局あたりが、局アナ総動員で映像化しそうな作品です。
ちなみに、この作品は第18回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作だそうです。
TVJ | |
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