霧舎巧『ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ』

 霧舎巧さんの『ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ (講談社文庫)』を読了。


 ひょんなことから《あかずの扉》研究会へ入会した二本松翔(カケル)。純徳女学院の教師遠峯に依頼され、流氷館へ向かった《あかずの扉》研究会。依頼内容は流氷館で行われる推理イベントに紛れて、館主の孫娘で一年間不登校の生徒を探し出すこと。だが、メンバーの中で先発した自称名探偵の鳴海は、屋敷への潜入には成功したものの、他の参加者とともに連続殺人に巻き込まれてしまう。あとからカケルや会長の後動などメンバーが駆けつけるが、そこには参加者は誰もいない。しかし、鳴海は流氷館にいるという・・・


 第12回メフィスト賞受賞作。新本格らしい新本格というイメージ。不思議な建物、連続殺人等々すべては書きませんが「いかにも」という要素がそろっている、いやそろいすぎつめこみすぎという気がする作品です。作品の根幹となる大トリックも理解できますが説明が回りくどく、無駄に長い気が。それに登場する人物たちもなんとなく薄っぺらです。
 もう少しシンプルになれば(作品構造ではなく文章が)、コンパクトで読みやすい、わかりやすい作品になるでしょう。これが新本格の持ち味、よいところというのであれば、新本格というものがわからないということですけど。

2005年4月9日読了 【6点】にほんブログ村 本ブログへ
ドッペルゲンガー宮―あかずの『扉』研究会流氷館へ (講談社ノベルス)
ドッペルゲンガー宮―あかずの『扉』研究会流氷館へ (講談社ノベルス)霧舎巧
講談社 1999-07
売り上げランキング : 626174

おすすめ平均 star
star活劇です!楽しいです!
star題名に沿った内容ではあるが...
starさすがは島田さんの弟子
starsなんだかちょっと・・・
starsもったいない・・・

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
asin:4061820834 rakuten:book:10782816