桜庭一樹『推定少女』

 週末に桜庭一樹さんの『推定少女 (ファミ通文庫)』を読了。


「あんまりがんばらずに、生きていきたいなぁ」と思っていた巣籠カナ・15歳。ところがある事情で家出してしまい、ダストシュートでみつけた不思議な少女・白雪(拳銃付き)と逃避行を始める・・・


 う〜ん、この思考は青春期独特のものでしょうか? 「大人はわかってくれない」「大人は敵」「大人になんてなりたくない」みたいなの。まぁ、共感とまではいかなくても、理解ぐらいはできるのですが・・・


 作品全体に浮遊感と失踪感が入り混じったような不思議な感覚。二人の少女のふんわりとしたイメージと逃避行が持つ緊迫感の奇妙なアンバランスが全体を包み込んでいる感じ。その心地よさにSF的な味付け。正直なところ、この味付けはいらなかった気が。この設定がストーリーにおける中心的な要素の1つではあるのですが、そのためにカナにとっての幻と現実の区別がつきにくく、理解しにくい、すっきりしない物語になってしまっている気がします。もっと逃避行一本に絞っても十分によかったのでは。


 とは言っても、おもしろかったのですよ。もう1冊読んでみようという気になります。

2005年3月26日読了 【6点】にほんブログ村 本ブログへ
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推定少女 (ファミ通文庫)
推定少女 (ファミ通文庫)桜庭一樹
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おすすめ平均 star
star冒頭から、謎とサスペンスが全開。そして、せつない別れ……
star直木賞作家、桜庭一樹の原点
starあっても消えていってしまうもの
starsストーリーも良いし、イラストも素晴らしい(*'д`*)ハァハァ
stars子供の敵とか味方とか。

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