橋本紡『半分の月がのぼる空(4) grabbing at the half-moon』

 里香の手術がどうなったのか、あんまりにも気になったので4巻も読んでしまいました。ということで、橋本紡さんの『半分の月がのぼる空〈4〉 grabbing at the half-moon (電撃文庫) grabbing at the half-moon』を今日読了です。


 今回はサイドストーリー的に里香の主治医夏目の過去が中心。小夜子と出会った高校時代から学生時代を経て静岡勤務までのおはなしです。


 「よう、奥さん」「やあ、旦那さん」という会話が印象的だった夏目と小夜子。生と死という重いテーマで、ややもすれば殺伐とした雰囲気になりがちなのですが、この「ほにゃほにゃした感じ」がそれを緩和しています。もっとも、二人の行きついたところは逆に切ないのですが。この二人と裕一・里香のイメージが重なっているところへ挿入される数年後の裕一の姿。そこには里香は・・・これは夢として終わるのでしょうか、それとも5巻以降への導入なのでしょうか?


 本編は裕一のがんばりどころ。里香と会うことを禁じられた裕一はどうするのか。里香の気持ちをもっともよく知っているのは裕一なのですから、ここで立ち上がらなくちゃ。


 いちばん大切なことはなにか、考えさせられる作品。ライトノベルという枠でくくるのはもったいないです。


関連作:『半分の月がのぼる空 looking up at the half‐moon』『半分の月がのぼる空 2 waiting for the half-moon』『半分の月がのぼる空 3 wishing upon the half-moon

2005年3月16日読了 【8点】にほんブログ村 本ブログへ
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