若竹七海『悪いうさぎ』
若竹さんの『悪いうさぎ』を今日読了しました。
女探偵葉村晶シリーズの3作目。家出女子高生の連れ戻しを依頼されたことをきっかけに、彼女の身に次々と災難のような出来事が・・・
人間の悪意を描くことに定評がある若竹さん。「わたしの捜査に手加減はない」がモットーの葉村。悪意の攻撃にさらされる葉村晶のオンパレードのような作品です。
文庫本460ページほどの中で、暴行、監禁、恫喝・・・葉村は何度このような悲劇にあうでしょう。読者としてはその度に憤りを覚え、おそらく結末で「悪いうさぎ」の真相が見えたときにピークに達することでしょう。事件の謎は解明され、その点ではすっきりします。しかし、悪意に対する強い憤り、読後の後味の悪さが残ってしまいました。
とはいえ、内容的には非常に楽しむことができました。物語を読ませる力はさすがですね。若竹さんの傑作の1つだと思います。
関連作:『プレゼント』『依頼人は死んだ』
おすすめ平均 久しぶりに・・・。 表紙に騙された〜!! 悪いうさぎの意味 ほんとだったらおそろしい 軽くもないし、かわいくもないミステリー Amazonで詳しく見る by G-Tools asin:4167679167 rakuten:book:11279100 |