若竹七海『悪いうさぎ』

 若竹さんの『悪いうさぎ』を今日読了しました。


 女探偵葉村晶シリーズの3作目。家出女子高生の連れ戻しを依頼されたことをきっかけに、彼女の身に次々と災難のような出来事が・・・


 人間の悪意を描くことに定評がある若竹さん。「わたしの捜査に手加減はない」がモットーの葉村。悪意の攻撃にさらされる葉村晶のオンパレードのような作品です。
 文庫本460ページほどの中で、暴行、監禁、恫喝・・・葉村は何度このような悲劇にあうでしょう。読者としてはその度に憤りを覚え、おそらく結末で「悪いうさぎ」の真相が見えたときにピークに達することでしょう。事件の謎は解明され、その点ではすっきりします。しかし、悪意に対する強い憤り、読後の後味の悪さが残ってしまいました。


 とはいえ、内容的には非常に楽しむことができました。物語を読ませる力はさすがですね。若竹さんの傑作の1つだと思います。


関連作:『プレゼント』『依頼人は死んだ』

2004年8月11日読了 【9点】にほんブログ村 本ブログへ
おすすめ平均 star
star久しぶりに・・・。
star表紙に騙された〜!!
star悪いうさぎの意味
starsほんとだったらおそろしい
stars軽くもないし、かわいくもないミステリー

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