若竹七海『ぼくのミステリな日常』

 今夜ご紹介するのは若竹七海さんの『ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)』です。もう10年以上前の、彼女のデビュー作です。


 若竹七海が編集長を務める社内報に、毎月短編小説を載せることになり、大学時代の先輩に紹介してもらった匿名作家に書いてもらうことになる。送られてくる12の短編小説。1年経って12作すべてを読み終えると・・・


 たいへん凝った形式の連作短編集で、一時期この形式が流行った? というふうにも聞いています。12の短編小説はバラエティに富んでいて楽しめるし、何と言ってもその後のお楽しみがあります。(これ以上はネタばれになりそうですが)


 デビュー作ということで、当然のことですが粗もあります。でもこの小説世界の雰囲気が気に入っています。若竹七海の作家としての原点は、やはりここにあるのではないでしょうか。


収録作:「桜嫌い」「鬼」「あっという間に」「箱の虫」「消滅する希望」「吉祥果夢」「ラビット・ダンス・イン・オータム」「写し絵の景色」「内気なクリスマス・ケーキ」「お正月探偵」「バレンタイン・バレンタイン」「吉凶春神籤」

1997年9月13日読了 【8点】にほんブログ村 本ブログへ
【感想拝見】

おすすめ平均
stars最後の最後まで気が抜けない
starsなるほど
starsまとまりのない話をまとめていく
starsただの連作短編じゃないぞ
stars素敵ミステリ

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